自分探しの敬和学園で 人を、自分を、好きになる。
2017/06/09
ビーフストロガノフ・サフランライス・エビとアボカドのサラダ・コンソメスープ・牛乳・ケーキ
フェスティバルが始まった。
今日、午前中は演劇、午後は合唱。明日はグラウンドで競技を行う。
しかし、何という贅沢であり、蕩尽であることか。
きみが、二ヶ月近く労力を費やしたのは、将来のためでも、豊かになるためでもなく、ただこの一瞬を生きるためなのだ。
明日が過ぎれば全てが過去になり、消えてしまう、この一瞬のために、きみは泣き、怒り、倒れるほどに右往左往し、声を枯らしてきた、
いま、きみは思いつめたような眼差しで、真っ直ぐに前を見ながら歌っている。
きみが見ているのは、ただ、この「今」という瞬間だけだ。
きみの眼差しは、未来も知らず、過去も知らない。
だがそれは、万巻の書物を読んだ老賢者の眼差しに勝っている。
きみが作り出す「今」は美しい。
その「今」を、きみは惜しげもなく投げ捨てる。
世界も、真理も、永遠も、全てがその中にあることさえ知らずに。
美しく、偉大なものが今ここにあることなど、まったく無関心に。
そのような神々しい「無関心」をまとい、
きみは、もう二度と歌われることのない歌を、
もう二度と重ねることのない友の声に重ねながら、
ただ真っ直ぐに前だけを見て、
歌っている。
(T.H)