月刊敬和新聞

2016年11月号より「やりたいことリスト ドリフターズリスト 敬和に来てほしい人リスト」

校長 小西二巳夫

やりたいことリスト
 私は年々朝起きるのが早くなっています。休日の朝はふだんに増して早く目が覚めます。そこで休日の朝一番にすることがあります。その日の「やりたいことリスト」を作るのです。やりたいことを紙に書き出すと不思議とその日一日楽しく過ごせるのです。しばらく前の日曜日の「やりたいことリスト」は次のようなものでした。早朝スポーツジムに行く。10㎞走りました。ジムの向いのカフェに行く。モーニングサービスでゆっくりコーヒーを飲みます。新潟教会の礼拝に行く。一週間のエネルギーをもらうためにこれは欠かせません。ジュンク堂に行く。日曜日の午後は本を読んで全校礼拝など原稿を作る時間です。その日の気分はスターバックスではなくジュンク堂だったのでしょう。夕方、本町にあるイトーヨーカ堂に行く。お世話になっている方たちに新潟の新米を送るためです。6時に整体に行く。マッサージを受けている一時間はとても気持ちのよい時間でした。リストの最後はユナイテッドシネマに行く、でした。夜9時40分から映画はお客さんが私ともう一人だけという贅沢な時間でした。「やりたいことリスト」はいつでも変更OKです。それは決めた通りにしないといけないとなると楽しくなくなるからです。

ドリフターズリストその1
 しばらく前に同じようなことをする主人公の小説を読みました。そこには「ドリフターズリスト」と書かれています。ドリフターズといってもカトちゃんや志村けんではありません。漂流者のことです。船が難破して無人島にたどり着いた人が、絶望的にならずに生き抜くためには、楽しいことをあれこれ考える、その日できることを考えて、それを一つ一つ実行していく、それが一番生きる力になるのだそうです。リストにして書き出すことについて、先週土曜日のオープンスクールで、それを「敬和学園のいいとこリスト」にして話しました。敬和学園のいいとこの一つにランチがあります。敬和学園は食べることを大切にします。友愛館はゆっくり食事のできる建物です。昼休みは55分と長いのです。3時間目が終わったらランチなのは、ご飯が遅いとイライラして授業に集中できないからです。敬和学園の食事の特徴は毎日食べても飽きのこない、明日も食べたいという気持ちにさせてくれる、そこにあります。毎日のご飯が楽しみなのは学校生活の充実のためには欠かせません。

ドリフターズリストその2
 敬和学園が何より大切にしているのが授業です。模擬試験を行うこと、偏差値を上げることを中心に毎日の勉強を考える学校は少なくありません。その場合授業そのものに関心を持つことがほとんど意識されません。敬和学園は毎日の授業を通して物事を深く考える人になってもらいたいと願っています。そのためには授業が楽しいものである必要があります。さらに先生自身が授業を楽しんでやることが必要です。それが学びの意欲を引き出すからです。毎日の全校礼拝も大切にしています。全校礼拝とドリフターズリストの関係でいうと、礼拝はその日をどう過ごすのかというドリフターズリストを考える時間でもあるのです。


敬和に来てほしい人リスト
 オープンスクールではさらに「敬和に来てほしい人リスト」も紹介しました。次のリストに当てはまるものが一つでもあるなら、ぜひ敬和学園に来てくださいと話しました。自分に自信が持てないでいる人。がんばれない自分をダメな人間だと思っている人。受験勉強ばかりの高校生活はやりたくない人。たくさんのことに挑戦したい人。自分を変えたいと願っている人。逆に自分の良さを失いたくないと思っている人。やりたいことが見つからない人。キリスト教に触れてみたい人。人間関係やつながりの深い友だちを作りたい人。寮生活で自立したい人。安心して高校生活を過したい人。高校生活そのものをやっていく自信がない人、などです。このことから明らかになるのは、「敬和に来てほしいリスト」によって入学して学校生活を過ごすことは、同時に自分だけのドリフターズリストを考え取り組む毎日を過ごしているということです。一人ひとりを敬和学園に導き、選び、入学させられたのは神様です。つまり敬和生は神様から内容の濃いリストを作ることが求められているのです。その求めに応えることが自分を大きく成長させ、充実した毎日を過ごすことになるはずです。教職員は一人ひとりがやりたいことリスト、ドリフターズリストを作る手助けをすることが求められているのです。その自覚に立って共に歩んでいきたいと心新たにしています。