毎日の礼拝

校長のお話

2016/11/08

「ドリフターズリスト」(ヨハネによる福音書15章16節)

私は、年齢のせいもあると思うのですが、年々朝起きるのが早くなっています。

ふだんの日は5時前には目が覚めます。

休みの日にはもっと早くなります。

休みとなると、子どもの頃からのクセで、心がウキウキして早く目が覚めてしまうのです。

そこで私が休みの日の朝一番にすることがあります。

それはその日の「やりたいことリスト」を考えることです。

休みの日は時間が自由に使えます。

そこでやりたいこと、できることを紙に書いていくのです。

やりたいことをリストにして書き出すと不思議とその日を一日楽しく過ごせるのです。

しばらく前の日曜日の「やりたいことリスト」には次のように書いてありました。

ずらっと並べてみます。

スポーツジムに行く。

10㎞走りました

ジムの向いのカフェに行く。

モーニングサービスでゆっくりコーヒーを飲みます

新潟教会の礼拝に行く。

それからジュンク堂に行く。

日曜日の午後はスターバックスやタリーズコーヒーで本を読み、パソコンで原稿を書きますが、その日の気分はジュンク堂だったのだと思います。

夕方、本町にあるイトーヨーカ堂に行く。

お世話になっている北海道や京都の知り合いに新潟の新米を送るためです。

6時に整体に行く。

マッサージを受けている1時間は何とも言えない気持ちのよい時間でした。

「やりたいことリスト」の最後はデッキ401のユナイテッドシネマに行く、でした。

夜9時40分からのレイトショーをみましたが、お客さんは私ともう一人だけというぜいたくなな映画鑑賞でした。

やりたいことリストの全部を予定通りにできたかと言えば、できませんでした。

「やりたいことリスト」はいつでも変更OKです。

それは決めた通りにしないといけないとなったら楽しくなくなるからです。

しばらく前に私と同じようなことをする主人公の小説を読みました。

「やりたいことリスト」をその人は「ドリフターズリスト」と書いています。

ドリフターズというと、カトちゃんや志村けんを思い浮かべますが、残念ながらそのドリフターズではありません。

また急ブレーキをかけて車を横滑りさせるドリフトのことでもありません。

ドリフターズは漂流者のことです。

船が難破して無人島にたどり着いた人が、絶望的にならず希望を持って生き抜くためにはどうしたらいいのか。

楽しいことをあれこれ考える、その日できることを考えて、それを一つ一つ実行していく、それが一番生きる力になるのだそうです。

 

リストにして書き出すということについて、先週土曜日のオープンスクールで、それを「敬和学園のいいとこリスト」にして話しました。

「いいとこリスト」の1つにランチがあります。

みなさんも実感していると思いますが、敬和学園は食べることを大切にします。

具体的にいうと、友愛館のような400人以上が余裕をもって入れる、そしてゆっくり食べることのできる食堂は他にほとんどありません。

さらに昼休みは50分、55分と長くとっています。

3時間目が終わったらすぐランチです。

それはご飯が遅いとイライラして、授業に集中できないからです。

敬和学園の食事の特徴は毎日食べても飽きのこない、明日も食べたいという気持ちにさせてくれる、そこにあります。

毎日のご飯がおいしい、楽しみというのは、学校生活の充実のためには欠かせません。

勉強しようという気持ち、何かに取り組もうという気持ちと食べることは大いに関係があります。

何より大切にしたいと考えるのが授業です。

多くの高校は進学の方法として、模擬試験を何度も行い、少しでも偏差値を上げることを中心に毎日の勉強があります。

授業そのものに関心をわかせることやおもしろいかはあまり関係がないようです。

しかし敬和学園は毎日の授業にしっかり取り組むことを通して、物事を深く考える人になってもらいたいと考えています。

そのためには授業が楽しくある必要があります。

さらに先生自身が授業を楽しんでやるのが前提になります。

それがあって初めて、学びたいという意欲を引き出すことができるからです。

敬和学園が大切にしていることで、他の高校にないのが毎日の全校礼拝です。

全校礼拝とドリフターズリストとの関係でいうと、礼拝はその日をどう過ごすのかというドリフターズリストを考える時間でもあるのです。

 

オープンスクールではさらに「敬和に来てほしい人リスト」を紹介しました。

こういう人に敬和学園に来てもらいたい、敬和学園を進学先に選んでもらいたい、そうすると充実した3年間を過せますよと考えていることです。

具体的にいうと、自分に自信が持てない人、自分のことがあまり好きではない人、がんばれない自分をダメな人間だと思っている人。

それから、受験勉強ばかりだけの高校生活はやりたくない、他にもできることややりたいことがたくさんあると考えている人。

自分を変えたい、変わりたいと願っている人、やり直したいと思っている人。

逆の場合もあります。

自分の良さや大切にしているものを失いたくないと思っている人。

やりたいことが見つからない人、それを見つけたい人。

キリスト教に触れてみたい人。

人間関係を作りたい、心の許せる友だちを作りたいと願っている人。

寮生活を通して自立したい人。

早く大人になりたい人

笑顔で高校生活を過したいと考えている人。

そして高校生活そのものに不安を抱えている人、高校生活をやっていく自信がない人、などです。

 

他にも紹介したのですが、今こうして敬和学園で学校生活を過ごしているみなさんも「敬和に来てほしいリスト」のどれかにあてはまるから入学したわけです。

そこで気づきたいのは、「敬和に来てほしリスト」によって入学して、今学校生活を過ごしているということは、それは同時に自分だけのドリフターズリストを考えそれを実行する毎日を過ごしているということです。

たとえ見えなくても、みなさんを敬和学園に導き選び入学させられたのは神様です。

ということは、みなさんは今神様から内容の濃いリストを作ることが求められているのです。

その求めに応えることが自分を大きく成長させ、充実した毎日を過ごすことになるのです。

それでは新しい1週間をその自覚に立って始めましょう。