今日のランチ

今日のランチ

2016/05/30

今日のランチ(2016.5.27)

ハヤシライス・生野菜サラダ・コンソメスープ・牛乳・ヨーグルト

0527

 

 今日のランチを食べているときに、ある出来事を思い出した。以前生徒と話しているときに答えが出ずに困ったことがあった。それは、「ハヤシライス」と「ハッシュドビーフ」は何が違うのか、ということ。生徒は、スーパーに行くときに、「ハヤシライス」のルーと同じ棚に「ハッシュドビーフ」のルーも売られているため、基本的には同じモノだと主張。私は「ハヤシライス」はトマトや赤ワインを使って煮込むもので、「ハッシュドビーフ」は仕上げにサワークリームや生クリームを加える、よりクリーミーなモノと主張。どちらも主張を譲らず、結局答えが出ずにその話は終わってしまった。
  しかし、なんだか気持ちが悪いのでいろいろと調べてみた。すると、まず私が主張していたサワークリームや生クリームを加えるモノは「ビーフストロガノフ」であり、「ハッシュドビーフ」では無いことに気が付いてしまった。そうだ、それは「ビーフストロガノフ」だ(笑)。完全にど忘れ&混同してしまっていた。では、「ハヤシライス」はどのようなモノか明快に回答することができるが、「ハッシュドビーフ」とはなんだ? 結論から言ってしまうと、両者は基本的には同じモノ。生徒が言っていたことが正しかったわけだが、同じモノなのに名前が違うのはなぜなのか、という新たな疑問が浮上してきた。調べてみると、その違いは「ハヤシライス」の語源であった。
 現在、「ハヤシライス」の語源については諸説あるようだが、代表的な説を列挙してみた。 ・丸屋商社(現在の書店『丸善』)の創業者・早矢仕有的(はやしゆうてき)が考案した料理だから「早矢仕ライス」→「ハヤシライス」。 ・有名レストラン「上野精養軒」のコックだった林さんが考案した料理だから「林ライス」→「ハヤシライス」。 ・「ハッシュドビーフ(=牛肉をこま切れにする)」を載せたご飯「ハッシュドビーフ・ウィズ・ライス(Hashed beef with Rice)」が縮まって「ハヤシライス」。 商社を経営していた早矢仕有的は早くから洋食に触れる機会が多かったため、ある時出会った「ハッシュドビーフ」と、ライスをドッキングさせるという「発明」によって「ハヤシライス」を誕生させた、というのが有力な説のよう。この説と3つ目の説は近いものがあるが、いずれも「ハッシュドビーフ」をライスに載せたものが「ハヤシライス」と考えて間違いなさそうだ。 ちなみに、私が混同してしまった「ビーフストロガノフ」は代表的なロシア料理で、やはり途中までの工程や主な食材は「ハッシュドビーフ」とほぼ同一。仕上げにサワークリームや生クリームを入れるかどうかで、違う料理になるよう。また、「ビーフストロガノフ」はトマトを入れず、白ワインを使うことも多い。
  というわけで、私は生徒の意見を頑なに聞き入れず、悪いことをしてしまった(笑)。今度詫びを入れる意味も込めて、この調査結果を伝えたいと思う。

(Y.A)