のぞみ寮通信

めぐみ館

2014/09/01

めぐみ通信 (2014年7月14日)

パスタパーティ!?

 第二定期テスト期間中、めぐみっ子たちは本当に一生懸命勉強に取り組んでいました。そんな姿を本部から見ていた光風館の片岡先生。学生時代はイタリア料理店でアルバイトをしていた経験があり、とってもお料理上手。その片岡先生が「みんな勉強頑張ってますね~。今回のテスト期間、めぐみ館でも夜食作りましょか?」と関西弁交じりの福島弁で声を掛けて来てくれました。食べるの大好きめぐみっ子たち(と先生たちも?)がそんな申し出を断るわけはありません。「キャー!来て来て~!」と大合唱。

 そして待ちに待ったその日が来ました。7月6日(日)。いつもなら礼拝後、自習時間が終わっても友愛館で試験勉強をしているめぐみっ子たちなのですが、この日は9時半の自習時間終わりには一人もいなくなっていました。それもそのはず、この日の9時半からは片岡シェフがめぐみ館に来て腕を振るってくれる約束でしたから。ガラ~ンとした友愛館を見て「え!?なんで?」と様子を見ようと本部から顔を出した私は一瞬驚きましたが、「あ、そっか。今日は片岡先生の日だからだ!」と納得。こうしてはいられないと、私も慌ててめぐみ館に戻りました。その道すがら片岡先生とすれ違い、「パスタ、今できたところですよ。森口先生もぜひどうぞ!」と爽やかに声を掛けてくださった片岡先生。「ありがとうございます~!」なんて満面の笑みで応え(自覚しています)、めぐみ館に駆け込んでいきました。

 めぐみ事務室に勢いよく入るとそこには人っ子一人いません…。「え!?なんで!?」ふっと振り返ると、ラウンジにはこれまでに見たことないほどの人だかりが!ここか!と入っていくと、その熱気のすごい事!「おいしいね~、おいしいね~。」と嬉しそうにパスタを分け合いながらもたっぷり頬張るみんなの顔がとっても可愛くて、それだけで私たちは満足していました。(とは言っても、「先生たちもどうぞ~」と心優しいめぐみっ子たちは会田先生と私の分も盛り付けてもってきてくれました。ありがとう~!嬉しいよ~!…心なしか、私のお皿は大盛りのようにも見えました…。気のせいか。)

 片岡先生、ありがとうございました!先生の愛情たっぷりパスタパーティ…いえいえ、テストのためのお夜食ふるまい会。めぐみっ子たちのお腹も心も満たされて、テストにしっかり取り組めたのはいう間でもありません。テスト…というと何だか嫌だなぁ…なんて思ってしまうのでしょうが、めぐみっ子たちはそう思いながらも半分は、いえ、もしかしたらもっとかも?楽しみにしている部分もあるのでしょう。テストが終わると後は夏休み期間中に行われる耐震工事に向けての「めぐみ館、すっからかん大作戦」の決行のみ。この大作戦についてはまた今度…。(森口)

 

 

 

 

 

星に願いを…

 今、敬和の耐震工事を請け負ってくださっている建設会社の方々はめぐみっ子のことをとっても可愛がってくださっています。ありがたいです。めぐみ館の玄関前には建設会社の1週間の予定がホワイトボードで記載できるようになっているのですが、そこには工事の予定がびっしり。なのですが、フェスティバルの時には「フェスティバル、ガンバ!」とさりげなく書いてくださっていたり(それにめぐみっ子は「ありがとうございます!」なんて書き込んでいました…笑。)。

 先日の7月7日は七夕でした。その七夕に向けて建設会社の方々はのぞみ寮生のために大きな笹をどこから切って持ってきて、取り付けてくださいました。もうすぐ七夕、玄関先には笹。となると願い事を書いた短冊を取り付けたくなるのが常でしょう。ウキウキしながら短冊をたっくさん用意してくれた会田先生。短冊がたっぷりある事に気が付いためぐみっ子たち。その夕方にはたくさんの短冊を背負った笹がめぐみ館の前で揺れていました。

 短冊の内容は、女子力たっぷりの物から、進路をしっかり見据えたもの、ぬ!?一体誰が書いたの?なんて聞きたくなるものまで(笑)、様々なものが吊られていました。とにもかくにも、みんなの願いが全部叶うといいな、短冊一つ一つを見ながら、妙に納得したり、笑ったり、きゅん!とさせられたりしながらそんなことを私はお願いしていました。それにしても強い雨風に吹かれても、笹にぶら下がり続けていた短冊たち。めぐみっ子の根性?を見たような気にもさせてもらいました(笑)。みんなのお願い、叶いますよう~に!(森口)

 

 

 

友達じゃなくて~、仲間、なんですよね。

 先日めぐみっ子たちと話をしていた時の事です。敬和に来て、のぞみ寮に入寮してどんな風に自分が変わったのか、ということを聞かせてもらうことが出来ました。

 2年生のAさん。「私ね、2年生になったんだけどまだまだ寮生活はしんどい。気が済むまで寝てることも出来ないし、ご飯やお風呂に入るのも気ままにはしていられない。TVだってパソコンだってやりたい時にやりたいだけ…なんてことも出来ない。中学校までは当たり前だと思ってやってたことが、ここに来てから全然できないし、自分の事だけ考えてたらダメだし、なんだかいろいろ大変。やだなって思うし、辞めたいなって思うんだけど、好きだなって思うし、絶対やめたくないって思っちゃう。しんどいのに好き。大変なのに辞めたくない。ここにいたいの。なんでだか分かる、先生?それはね、ここにいる人たちが友達の域を超えた仲間だからなんだよ。友達じゃないんだよ。仲間なの。仲間がいるから、どんなにしんどくてもここにいたいんだよ。」と凛とした表情で語ってくれました。

 この話を聞いて、あまりの嬉しさに涙が出そうになった私。毎日の寮生活を通して、共に暮らす人たちの事をこんな風に想って過ごせるようになった彼女の心の成長に、こんな風に感じさせてあげられる周りの関わりに、さっすがめぐみっ子だな!と感激しました。

 1年生のBさん。「私ね、中学校までは携帯が手放せなかったの。本当に肌身離さず携帯を持っていて、ちょっとでも離れちゃうと『携帯!携帯!』って探し回ってしまうくらい。だから、寮に入る時、携帯持ち込み禁止って知ってすごく不安だった。やっていけるかなぁってすごく思ってた。でも、実際にこの生活を始めてしまったらなくても全然平気!いつも誰かが傍にいて、顔を見て話が出来るの。こんな辛い事あったよ~って泣いちゃったら、そっか~って聞きながらヨシヨシしてもらえるし、こんな嬉しいことあったよ~って言ったら、よかったね~!って一緒に喜んでもらえる。こんなに嬉しいことないよねって思えるようになってきた。今の私は携帯なんてなくても平気。お家に帰ったら使っちゃうけど、お家にはみんながいないからね~。」と可愛い笑顔いっぱいに話してくれました。

 のぞみ寮では携帯やパソコンなどの持ち込みが禁止です。それには様々な想いや危険な事から寮生を守る意図が組み込まれていますが、私が個人的にみんなに一番最初に感じてほしいのぞみ寮の携帯禁止の理由がBさんが話してくれた事、そのものです。仲間がいる喜び、感情を共有できる幸せ、顔を見合っての会話の安心感、どれも携帯では感じることが出来ないものばかりです。それが入寮して3ヶ月ほどしか経たない1年生が、もうすでに感じられているなんて…。もうそれだけで、めぐみ館がどんな館なのか、同学年の関わり、先輩たちとの関わりがステキな物なのだと感じることが出来ます。嬉しいです。

 のぞみ寮ですごせる時間は3年間。限られた時間を日々大切に、たくさん心を揺さぶられ、たくさん気付き、たくさんたくさん幸せや喜びや達成感を仲間と共に感じながら大きく成長していってほしいと願います。「友達」では表現しきれない、「仲間」との毎日の中で!(森口)