のぞみ寮通信

みぎわ館

2014/07/16

みぎわ館 第203号(7月14日)

 消灯後の点呼に廻っていると、T.Mさんと、T.Sさんが暗い部屋で何やらニコニコしながら二人で向き合っていました。

私・・・「何しているの?」

T.Mさん・・・「Sに、手話を教えているんです」

T.Sさん・・・「今、自分の名前が言えるように頑張っています」

二人はそういって再び向かい合ってニコニコしながら手話の練習をしています。

次の日もまた次の日も・・・。

 数日経ったある日。「せんせ~見て下さい。」二人と寮の廊下ですれ違った時に声を掛けられました。「こんにちは、私の名前は・・・」一通りこの数日で練習した成果を二人は見せてくれました。

言語の一つである手話を学ぼうと毎晩二人で練習しているのです。

 また、週末には敬和学園から被災者支援労作に、みぎわ館の中からもY.Kさんと、T.Mさんの2人が参加してくれました。

 こうした皆さんの姿を見ていると、ステキな心が育っているなあ、とつくづく思います。きっと、このような気持ちが育っているのは、先輩達から受け継いだ精神が根付いてきた気持ちの育ちがあるのだろうなあ、ととても嬉しくなりました。

 更にステキな話は続きます。週末の食当の事です。めぐみ館の担当の食事当番の事に人数が2人しかいなかった時の事でした。森口先生がめぐみ館の食当に、「2人だけだけど、大丈夫。先生たちも一緒にするから、ゆっくりにやろ~」と話しをしている時の事です。みぎわ館の2年生Y.Hさんが「せんせ~、私、手伝いますから~」と声を掛けてくれたそうです。その言葉を聞いていた1年生も「私たちも手伝います~」と。優しさの連携プレーが見られたと言う報告を聞きました。

 ステキな連鎖、心の優しさがあちこちでちりばめられている様子。

その報告を聞いた私はとても嬉しくなりました。

そう言えば、よく見る光景ではありますが、先日も3年生が1年生の悩みを聞いていてくれていました。

 つい先日もふとした事で心配そうな1年生の様子を察知して3年生が声を掛けていました。声を掛けられた1年生はとても安心した様子でその後過ごせていました。

 優しさの連鎖を見せてくれる皆さんの成長、素敵です。これから、しばらく長い夏休み、この優しさの連鎖がどんな風景に繋がるか、楽しみです。一人一人有意義にお過ごし下さい。

 8月26日の開寮礼拝には全員が顔を合わせてスタートできますように。(榎本)

 

 

 

コンセプトは日頃の!! 

 みぎわ館の庭で、「ガーデンパーティー」。始まりは「生ゴミを堆肥づくりへ」、と言うT.Mさんの働きかけからスタートしたその庭づくり。そこへ携わってくれ、応援してくれた方々に感謝しつつ、お礼を!そんな気持ちと、3年生が、「みんなでお祭り!花火に、浴衣を着たい」と言う、声を合わせた企画の「夏祭り」。行事委員のKさん、Fさんには、その呼びかけ、企画をテスト前の超忙しい中、館の皆に話を行き渡らせてくれました。

 ただ梅雨時期なので、余り期待して楽しみにしても、と、「室内でいつも通りのお楽しみに、少しメニューを加えたものにしよう」と、テンション抑え気味の計画でした。が、当日はギリギリまであった厚い雲は晴れ、半ば諦めていたガーデンパーティー「夏祭り」は無事決行!! できたのです。

 と言う事で急遽当日、「日頃お世話になっている先生方にも!」と、3年生がお誘いしに教務室に走りました!夕暮れ差しかった突然のお誘いにも関わらず、来てくださったのは、和田先生、時間が無いとおっしゃっていた小黒先生、「畑を見せて」と、なんちゃってピザを釜戸で、焼いてくださった浅妻先生、「声楽部の部長の声掛けなら」と、荒木先生。その荒木先生は、最後まで「たこ焼きコーナー」でたこ焼きを作ってくださいました。そして健一郎先生。佐藤健一郎先生は、何やら3年生の人生相談をしながら、パスタを召し上がってくださいました。そして、畑をしている時に事前に声をかけさせてもらっていた菅原先生は、女子の恋の相談相手?!そして、寮長先生ご夫妻施設の平松さんと海老名さん。平松さんと海老名さんには外でやるなら、と釜戸の用意、火おこしから最後の火の始末まですっかりお世話になってしまいました。お陰で、いつも室内でやっている事なのに、場所を替えただけで、盛り上がりはマックスでした。夜も更け、夜空にはぽっかりとまん丸お月様。

 さて、お楽しみメニューと言いますと、庭で採れたバジルで作ったパスタ、クレープ、たこ焼きにかき氷、スーちゃん差し入れのジュースに、なんちゃってピザ、現場監督のYさんが差し入れてくれた野菜とみぎわの野菜でバーベキュー、浅妻先生作のレタスにキューリ。そして海老名さんのお宅で収穫したと言うトウモロコシ、私、カナ自家製「バナナ味ソフトクリーム」、寮長先生夫妻からお土産にと、アイスクリームいただきました。そして締めには花火。

 そんなこんなの盛りだくさんになった「感謝の気持ち」の会のガーデンパーティー、、、盛況のうちに目いっぱい2時間みんな存分に楽しんで。とは言え、来ていただいた方々には、更にお世話になってしまいました。本当に来てくださった皆様、貴重なお時間をみぎわ館生の為にありがとうございました。

 次の日の午前中ある1年生が「なんだか、色々運んだからでしょうか、体中が筋肉痛で、、、。普段余り動いて無い事が判明してしまいました・・・。それと、3年生の企画力って、すごいですね。こんな事、どうやったら、アイデア浮かぶのでしょうか。」と目を輝かせながら、話してくれました。下働きに思えるような!?事をせっせとしてくれた1年生、「本当に楽しめたかしら??」と心配もしましたが、存分に楽しめた様子でひと安心。何よりも3年生への尊敬の念が増したひと時だったようです。今回参加できなかった人たちも、きっと近々にお楽しみをしましょう!(榎本)

 

 

 

礼拝の話

3年 K.E

  皆さんは、英語を学んでいて、「何で日本人なのに英語を学ばなきゃいけないんだ。日本から出ないから、いらない。」と思うことはありませんか?実際、語学を習得する事は中々難しい事です。私は未だに過去分子などの意味が全く解りません。ですが、様々な語学を学びたいと考えています。

 そう思うようになったきっかけの一つに44回生だったRさんの聞かせてくれた話があります。それは、「肩がこる」と言う言葉が存在しない国があって、その国の人たちは肩がこったことが無いと言う話です。少しわかりにくいのですが、その国の人たちは「肩こる」と言う言葉が存在を知らないので、そうなる事も無いと言う事です。私はその話を聞いた時に、まだまだ私が知らない気持ち、世界がいっぱいあるのかも知れないととてもワクワクしました。他の国の言葉を学んだら、今はどうにも言い表せない気持ちにピッタリな言葉が見つかると思ったのです。そして、それは外国語に限定されないのではないかと考えました。

 私は7才の時に日本に来ました。日本語は軽くなら話せましたが、全然わからなかったので、毎日毎日「何で日本には平仮名と片かなと、漢字があるの?結局、平仮名で読むのだから一つだけでいいでしょ!」と泣きながら勉強していたのを覚えています。ですが今は、日本語はとても美しい言語だと思います。本当に様々な表現方法がありますし、漢字と平仮名の組み合わせ、昔ながらの言葉にはとても感動させられます。「この漢字の形、マジで超ツボ、ああ、このフォルムが最高!」とか普段から考える人はただの変態だと思いますが、皆さんもたまには、この「言葉」に目を向けてみてはいかがでしょうか。

 言葉にはとても大きな力があります。言葉が無ければ私たちは考える事も気持ちを相手に伝える事も出来ません。現代、世の中には便利になり過ぎました。スマートフォンなどの普及により、人と人とが直接関わる機会は激減し、用事のほとんどはSNSで済まされるようになりました。皆さんもSNSを利用している人は沢山いると思います。そこで、発信する一言一言に目を向けていますか?また直接的な関わりでも言葉を適当に発してはいませんか?言葉とは自分の思い、考えを表現できるとても素晴らしいものです。是非、友だちと直接おしゃべりするにしても、親や大切な人にお手紙を書くにしてもどうやったらこの気持ちがより良く伝わるか吟味して話したり、書いたりして見て下さい。きっと前より、あなたの世界も、そして相手の世界も広がるはずです。