労作日記

被災支援活動

2013/07/24

2013年度 第3回被災者支援労作(2013年6月14日~16日)

 敬和学園は東日本大震災被災者のことを常に意識しながらすべてのことに取り組みたいとの願いを持っています。そこで具体的な活動の一つとして、被災地支援労作を2011年5月から始めました。

 

2013年度 第3回(2013年6月14日~16日)

生徒19名と引率教師4名の合計23名が参加


1日目:16:30に学校を出発 → 七ヶ浜へ到着
2日目:農園の整地作業(スコップで畑を掘り返し、石やゴミを拾う作業)
3日目:仙台北教会での礼拝に出席

 

 

< 参加生徒の感想文からの抜粋 >

 

3年 K.M

 今日敬和学園に当てられた仕事は、畑の整地。バレーコート一面分くらいの広さでした。すぐ終わって次の畑に移るのだろうと想像していましたが、丸一日かかりました。ガラス、レンガ、プラごみ、木の枝、岩、いろいろなものがドロとなった土に混ざっていました。畑として使えるように、畑を何往復もして、丁寧にごみを除去しました。
 終わった後センターの人は「津波でめちゃくちゃになった畑を元に戻すなんて割に合わない行いだと畑を持つ人が反対し、どこか行ってしまうこともあしました。しかし、津波でいろいろなものを失ってしまった人に土とふれ合いのびのびと生活してもらうために畑を整地することにしました。」と言っていました。
 僕は二年前の七ヶ浜を思い出してはっとしました。その時は浜に散らばる大きなゴミをトラック二台分集めて一見きれいになったと満足していましたが、実際津波の被害はそんなものじゃなく、畑に散らばる小さなゴミやもっと言えば手に取れない潮にまで広がります。そんな状況を元に戻すのは、担当の人が言うとおり無謀で細かい作業がたくさん必要です。
 でも、今の七ヶ浜のように、畑に植物が、海に人が見られるようになったのは、僕が二年前に見た前向きな気持ちが、センターの人と、それぞれが見ず知らずの全国から集まった人によって受け継がれ、小さな作業を重ねていったからだと思います。これこそ、人がつながる素晴らしいことだと感じました。
 自分もこの気持ちを忘れず、小さな行いを大切に、七ヶ浜をきっかけとして、たくさんの人の隣人になれるようになりたいです。

 

 

2年 K.S

 被災支援労作の前夜に行われた礼拝で出てきた言葉が、僕の中で一番印象に残っています。
「ボランティア」で来たのではなく、「労作」をしに来た。
 敬和生が当たり前のように行っている労作。僕たちは、敬和の生徒として、人間として、当たり前のことをするべく被災地に来ているのだと気づかされました。個人的に、被災した地元が受けた恩を七ヶ浜で、自分の手でかえそう!という気持ちも込めて支援労作をさせてもらいました。
 僕たちがした作業は、津波の被害で使い物にならなくなった土地を以前のように労作ができるように戻すことでした。たくさんのゴミ(プラスチックのおもちゃやビニール)や石が埋まっていて掘りだすのはとても根気がいる作業でした。敬和生23名が任された土地の面積は、ほんのわずかな大きさでしたが作業は地味で時間がかかり、大人数で行ってもなかなか進みませんでした。
 作業をしているときに思ったことは周りの景色が、僕が想像してたより荒れていなかったということです。震災から二年半、地味な作業から重労働まで長い時間繰り返しここまで復興できたんだ、と感心しました。しかしそれは、周りをさらりと見て思った僕の感想でありまだまだやるべきことはたくさんあり、苦しんでいる人たちも大勢いることなのでしょう。そんなことを考えていたら「少しでも力になりたい」という気持ちは強くなり、僕たちは作業をやり通しました。
 被災支援労作を終えて、七ヶ浜の人達が町を元気にしようとどれぐらい真剣になっているか僕はわかった気がします。町の復興のために、住民みんなが力を合わせて元気にがんばっている。被災した町がみんな、七ヶ浜の人達みたいな雰囲気で元気にがんばっていてくれたらいいな、と思いました。
 今回の労作だけじゃ、僕が被災者として受けた恩を返せたとは思えません。初めての被災支援労作でしたが、これをきっかけにしてこれからも参加したいと思っています。すべての被災地が、震災前の暮らしを取り戻すことを、願っています。

 

 

1年 T.A

 今回の労作場所へ行って、そこでも私は衝撃を受けました。そこは畑だった場所で、その畑を見たとき、このまま耕しても畑になるんじゃないかと思っていました。ですが、それは間違いでした。その畑の土の中には、大量のがれきや石、木の枝などが埋まっていました。そこでも私はまた、言葉を失いました。そして、そこで作業に取り組みながら、私は、被災したこの場所について、被災された方々について、この労作の意味についてなど、様々なことを考えました。そして、ひとつの答えにたどり着きました。
 私がこの労作で学んだこと、それは、人は支えあって生きているということです。人のために何かをするということは、本当に大切で、とても必要なことだと思います。これから私は、何も意識しなくても人のために行動できる人になりたいと思います。そして初めの一歩として、私の周りにいてくれる人たちの助けになりたいと思います。